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3回目の布マスク配布にあたって、シンガポール政府はマスクの国内調達を可能とした舞台裏について発表しました

初めまして、中澤めぐみと申します。シンガポールを伝える活動をしています。日常からはなかなか知ることのできないシンガポールの魅力、シンガポールの本質について、主に文化、歴史、政治の側面から情報発信しています。


さて、8週間 56日間のサーキットブレイカーも最終日となりましたが、サーキットブレイカー後もマスク着用が義務となる事から、先日、政府より3回目のマスク配布がありました。皆様すでに受け取って手にされたことと思います。


今回の布マスクは、今までよりウィルス感染防止効果が高く、シンガポールで独自に開発されました。高機能布マスク配布にあたって、政府は中国で感染拡大が始まった当初から数か月に渡って、シンガポールでのマスク現地生産を急速に進めてきた舞台裏について5月上旬に公表しました。そのことについてお届けします。



政府公表内容


・中国で感染拡大が始まった時点で、世界的に深刻なマスク不足になることを予測し医療従事者向けにサージカルマスクとN95マスクを確保する必要があった。


・以前は海外のパートナーとサージカルマスクを協同で製造する契約を結んでいたが、世界的にマスクの需要が急激に高まり、契約の一部が実現できなかった。


・そのため STエンジニアリングによりシンガポールで生産できる態勢を急速に進めた。

<STエンジニアリングは政府機関ではありませんが、政府と密接に関わる企業でシンガポール陸海空軍の武器製造、輸出を始め、テクノロジーを駆使した航空、宇宙関連事業、開発などを手掛けるシンガポール有数の大企業>


・ シンガポールでのマスク生産能力について多くの噂や憶測があり、世界的にサージカルマスクの需要が逼迫していることもあって、製造ラインや原材料調達を妨害される懸念があり、マスク現地生産についてこれまで公表することができなかった。


・ 現地生産を進めている最中、感染拡大が長期間続いた場合、サージカルマスクだけに依存することが解決策にならないと認識し、布製マスクの製造と備蓄を開始。


・この数週間で、Aスター(政府系科学技術研究機関)による研究と、シンガポールの衣料繊維メーカーと協力し、再利用可能な布マスクに使用される素材の改良を行っている。より効果的にウィルス感染を防ぐことができ、長い時間着用しても快適なマスクである。


・ 今後も感染が繰り返し発生し、再びサージカルマスクの需要が急激に高まる可能性もあり、特に医療従事者向けのサージカルマスクの備蓄を引き続き行い確実に供給できる体制を整える。


・ここまでの過去数か月、とても長い道のりでしたが、国全体の努力のおかげです。限界をも超えた企業と個人の皆さまの努力によるものです。本当にありがとうございます。皆さんが不屈の精神で取り組んだ粘り強さと、レジリエンス(困難から立ち上がる力)に感謝し称賛します。


と発表しました。





画像も同ニュース記事より


3度目となるマスク配布もそうですが、シンガポール政府が常に先々を予測し、必要なことに対してマンパワーを動員して最大限に注力する様子は、皆さまも日々、目にされ体験されてきたことと思います。このコロナ禍、シンガポールで体験されたことが今後の皆さまのお仕事、私生活でも日常の様々なシーンで前進する力となっていくことと思います。


 

中澤 めぐみ

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